頽廃的美学論
ま、ひとつの例として「あの人、てっきりこっち側の人だと思ってたけど全然そうじゃなかったよ」なんてことよくありますよね。CKBの場合もそういうのあるみたいで「イメージと全然違ってた」って感想をもらうことがよくありました。その意外性が「有り難い」ものなのか、「がっかり」なのか、「嬉しい」のか、或いは「いや、別に・・・」なのかは色々ですが、そういう意味でレコードのジャケットってのは勝手に好奇心をくすぐるものがありました。
昔、70年代の終わり頃(1978年かな?)にDEVOってバンドのレコードを「ジャケ買い」しました。そのゴルフボールとゴルフ帽を被ったおじさんをあしらったイラストは、偶然にも当時、自分の頭の中で勝手にデザインしていたイメージとそっくりなのでとにかく驚きました。なんともメリメリなイラストんだけど、どことなく悪意に満ちた怪電波を放っていて、妙にそれが心の隙間に入ってくるような。で、音楽の中味も調べず買ったのでした。聴きました。ジャケの放つニューウェイヴなイメージとは一転して、う〜ん、なんつうのコレ? 好きなのか嫌いなのかよくわかんないし、これ以降のアルバムを買うことはなかったけど、こう、今まで感じたことのない急所が開発され、音楽的性感帯が広がっていくような感じがしたという意味では18歳にして良い買い物をしました。個人的にDEVO『頽廃的美学論』のジャケットは20世紀の最高傑作だと思います。
|