デング熱
巧いヘタを超越したセンスの良さを持ってるバンドが好きです。理想を言えば、コード進行のセンスが良くて、音色のセンスが良くて、フレーズのセンスも冴えてて、電波がビリビリで、リズムがちょっと不安定なのに不思議なグルーヴがあって、歌の音程がやや悪いのに絶妙な味やソウルがあって、ルックスもちょっとヘンだけどダサかっこ良くて・・・、そんなバンドがいたら絶対にファンになる!と思っていたら米国はL.A.にいました。
デング・フィーヴァーというバンドです。
私、小山田満月がデング・フィーバーを知ったのは、今から5、6年(?)ぐらい前だったでしょうか。神戸のロック漫筆家・安田謙一先生から銀皿をプレゼントされたのが最初でした。一聴してヘタウマなイメージではあるんですが、実はメンバーにはフランク・ザッパやBECKのメンバーがいたりして、どう考えたってヘタウマというカテゴリーに収めるには無理があるのですが、このデング・フィーバーには「巧さ」じゃなくて「旨さ」がありますね。所謂、ペブルスとか、ナゲッツのガレーヂパンクのコンピ盤にあるような、滲みとかざらつきとか版ズレ感がちゃんとあるのです。昭和のサイケ歌謡みたいな旋律のカンボジアン・ロックのカヴァーが中心ですが、「何々と何々をミックスした云々・・・」とか、「オルタナ」とか、そんな生温い表現ではデング・フィーバーの本質は伝わりません。そこに漂う得体の知れないビリビリ来る何かを「電気菩薩」と呼ばずしてなんと呼ぶのでしょう。
本日、不肖、私、小山田満月が客演致しますところのSKA-9 GARAGE PARTYにて是非ともおかけしたいと思っておりますので是非、体感してみて下さい。。デング・フィーバー(Dengue Fever)はその名の通り、死に至る強烈なウイルス(デング熱)ならぬ強烈なポップ・ウイルスなのです!
小山田満月
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