骨董・古美術店内を漂う電気菩薩
骨董や古美術そのものにはあまり興味がないんですが、骨董・古美術店に漂う空気感には得体の知れない電波性があるので、海外旅行等で買いもしないのに立ち寄ることが多いのです。去年はバリ島のウブド、一昨年はロスアンジェルスでそういったお店を覗きました。中でも今から20年前に訪れた韓国ソウルの仁寺洞キルという通りが特に印象に残っています。当時、その「仁寺洞キル」という字面と響き(インサドン)に直感的にピンと来るものがあって、そこがどんな一帯なのか全然知らずに予感と本能のおもむくままに訪れてみたら、その予感は見事に当たり、骨董・古美術店、陶芸店等が多く点在するまさに俺好みの一帯でした。そこはその昔、王宮に仕える両班(ヤンバン)の人たちの暮らすお屋敷街跡だったらしく、それがなぜこのような骨董街になったかと言うと、上流階級であったはずの両班の人たちがやがて生活に困窮し、代々受け継がれて来た伝来の家財、お宝を売る為の店を開いたというのが始まりだそうです。京都、奈良、金沢同様、そういった街のルーツというのがしっとりとした質感となってそこに立ち上るもんなんですね。 今でも「韓屋」と呼ばれる歴史ある古い建物がいくつか残っていて、その韓屋をレストロッドした、おっと改造した伝統カフェやレストラン、アート・ギャラリー等が数店舗あります。で、一昨日は、そんな骨董・古美術店に漂う「あの感じ」というのは、世界どこでも共通の薫りを放っているんだニャーという思いからどんどんイメージが膨らんで(脱線してとも言う)、LOS ANGELSの東洋系古美術店のヤニ茶けた世界観とFUNKADELICな色彩感を導入したFUNKを制作したぜ!というお話でございやす。こうやって文章にするとややこしくなるだけで、わけがわかりませんが、その音を聴けば、あ、なるほど!という感じに仕上げたいと思っています。
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