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UNMETERED TAXI
以前、この放送で元P-FUNKファミリーのアンプ・フィドラーと、ジャメイカのスーパーレゲエリズムセクション、スライ&ロビーの共演曲「Crazy Day」をかけましたけど、そのスライ&ロビーが、彼らのバンドTAXI GANG、さらにUKの美声ラヴァーズシンガー、
ビティ・マクリーンとともに丸の内のコットンクラブにやって来た!
スライ&ロビーは、俺がかつてCOOLS RC在籍時代(1981加入〜1984脱会)のレコード会社、ポリスターがアイランド・レーベルの配給をやっていた関係でバハマのコンパスポイント・スタジオ名とともに、俺の脳裏に刷り込まれた響きでした。スライ&ロビーはジャメイカのレゲエ・ミュージシャンに限らず、ボブ・ディラン、ローリング・ストーンズ、セルジュ・ゲンズブール、日本の坂本龍一等、世界の様々なジャンルの音楽家とも関わってきた背景がありますけど、そういった仕事で一番印象に残ってるのがアイランド所属の女性カール・ルイスことグレース・ジョーンズのアルバムですね。
ここんとこ超・多忙(というかスケジュールがまだら状に散漫)で今回のライヴ鑑賞は絶対無理と諦めていたんですが、なんとか時間を無理矢理こじあけ、新宮虎児、菅原愛子、そしてI.S.O.P.のISOこと磯くんと一緒に磯くんの運転するベース・オデッセイじゃなくてホンダ・オデッセイで横浜ベイブリッジを越え、多摩川を越え、左手に見えます東京タワーを横目で追い越しはるばる大東京、丸の内まで行ってきたぜ。遠くまで遠征した甲斐のある最高のライヴだった!
以前、コットンクラブのマネージャーの大西さん(当時は青山ブルーノート)の写メを大相撲、敷島こと小野川親方から送ってもらったことがあった。親方曰く「剣さんそっくり!」ってことで、見たら双子かと思うぐらい同じ顔をしてガン・フィンガーもといCKB的にはヨコワケハンサムフィンガーを決めていた。で、コットンクラブの席につくなり、それまで写真でしかみたことのなかった大西マネージャーがご挨拶に来てくれました。似てるって言うか、俺なんかの数倍男前でした!
しかし、ロビーことロビー・シェイクスピアのワイルドでぶっといんだけど上質のうどんみたいにシコシコでコシのある繊細な音色と、自由奔放なラインには痺れました。音大きいんだけど、全然うるさくないし、ヴォーカルを邪魔しない音色。で、俺はずっと指見てたんだけど、指づかいがハンパなく凄かった。親指1本であんなに細かくラインを弾くのを初めてみたよ。そしてスライ・ダンパー名物のミリタント・ビートと鬼凄いハイハットさばき!どう考えても両手じゃなきゃ絶対出せないような細かい刻みを片手の手首の絶妙な動きだけでやっていた!凄くキレがあるんだけど、だからってカッチンカッチンにはならない絶妙なパワーバランス。実に素晴らしいGROOVEだね。そしてドラムのビートがストップして、歌だけとか、ベースだけとか、或いは長めの無音状のブレイク後、復帰しても一糸乱れぬTAXI GANGのリズム・セクションの正確さにも感心した。よく見たらクリックなんか一切使ってないもんね。そして選曲も良かった。それにしても、ビティ・マクリーンの声の良さよ!美声なんだけど野性なんだよね。そういうとこFIRE BALLのCRISS君にも通じるかも。来日シンガーとしては、以前、赤レンガの皆音FESで観たトーラス・ライリー以来の素晴らしいシンガーですね。あまりREGGAEのことは詳しくないし、スライ&ロビーが関与した作品数はあまりに莫大なので、演奏曲のすべてをちゃんと把握できていないにも関わらず、誰でも楽しめるショウ運びと選曲の良さは、まさに“TAXI”の名の通り「誰でも乗せちゃう!」ってわけですね。往年のR&BやDooWopの名曲、例えば、サム・クックや、シュレルズ等のカヴァーもあったし、あのスティーヴィー・ワンダーの「Lately」のカヴァーなんて、Aメロはコード進行無視で延々とTAXIリディムやってるんだけど、サビになるとちゃんとコード・チェンジしてあの美しいメロディーと合体!もうヤバイね!涙が出そうになります。
しかし、ロビーってキャラ最高でコロコロしててめちゃくちゃお茶目でかわいい人でした。終演後、ステージにかぶりつきロビーのベースまわりをチェック。ベース本体は信也と同じフェンダー・ジャズベース。4弦なのになんであんな重低音出るんだろ? もしかして弦は2-3-4-5用の太いの使ってるのかな?謎。スピーカーは信也と同じアンペグ、しかし、そのスピーカーの上にデンっと載ってるアンプが不明。TATOOありで恐い物知らずのガーチャンが白人のスラロビ専任スタッフに本牧訛りの英語で質問。パワーアンプはSWRであることが判明!
おっと、長文すいません。それぐらい良かった!ってこと。
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