俺の中にはアメリ感を総称する「メリメリ」という概念があります。
「メリメリ」について、ここで説明するのは大変なので自伝「マイスタンダード」の196Pをご覧下さい。第三版は売り切れましたが、1万冊の大台となる第4版が出ます(自慢)。だけど、なぜかその中にニューヨークだけは含まれていません。ニューヨークはニューヨーク。別格です。ニューヨークにはメリメリな質感を全く感じないのです。ブロンソン的な「乾いた眩しい顔」のイメージというのがありません。もうちょっと、こう、しっとりとした、幾十にも塗り重ねられたペンキのような質感です。そこにはメリメリ感とはまた別の、こう、何とも言い難いグッと来る電波性があるのです。それが「シナモン・フィーリング」です。「シナモン・フィーリング」はチャーリー宮毛(チャーリー宮毛のローカル・フライト通信担当)の命名です。これは'60年代のある一時期に花火のようにパーッと咲いて、パーッと散ったパンクマンボ、ブーガルー・ブーム時代のレコード・ジャケットから放射される色彩感、EL BARRIOのスメル感、グリース感、サボール感とでも言うんでしょうか。ま、これは「ラテン横丁」担当のエルカミナンテ岡本こと岡本郁生さん(+藤田正さん)の「米国ラテン音楽ディスクガイド」を見て頂ければ一目瞭然ですが、これもまたSOUL電波性の一種ですね。
或いは、BRONXやQUEENSのSTREETにそこはかとなく漂うジャマイ感電波。この電波経絡をROOTSに向かって辿っていけば、ジャマイカ移民のDJ、クール・ハークに行き着き合点が行きます。クール・ハークは自身が所有していたレゲエのサウンド・システムを利用してのレコード2枚がけによるブレイク・ビーツを最初に発明した人物。グランドマスター・フラッシュ、アフリカ・バンバータと並ぶHIP HOPの始祖としても有名な人ですね。あ、最近の人では「ピアノと私」のアリシア・キーズのお父さんもジャマイカ人ですね。さらに今度はまったく反対側のブルックリンに行けば、映画「Do the Right Thing」の世界、サルのPIZZAのスメルも漂ってくるわけですが、そんな人種のメルティングポット、サラダボウルのN.Y.・・・と、まあ、ここまで知ったかぶりの蘊蓄を散々垂れておきながら、まだ一度しかN.Y.を訪れたことがありません。短期間の滞在でしたが、本当に行って良かった。俺が行くちょっと前にN.Y.を訪れたノッサン(「小野瀬雅生でございます」コーナーを担当)が勧めてくれたんですけどね。マンハッタンのミッドタウンはスルーして、サウス・ブロンクス、EL BARRIO、ハーレム、ブルックリン、中華街、韓国街など、コテコテな街ばかりを巡り、最後の夜はクイーンズのジャマイカにあるアマズーラという巨大クラブでREGGAEのWORLD CLASHを観て来ました。ベース・オデッセイとのTune Fi Tuneで、本牧代表、Mighty Crownが優勝!横浜にトロフィーを持ち帰りました! そのあとジャマイカでも優勝してしまうんですけどね。世界最強です。毎週土曜午前零時からはCKB Radio Show H.R.H.S.に続きまして
Mighty Crown Family&DJ BANAの「Bayside ReggaeLounge」で
お楽しみ下さい! FM ィヨコハマ 84.7 BIG UP!
右上:地下鉄6号線でEL BARRIOに向かう車内。かわいいロドリゲスな坊や。
左:EL BARRIOのぴんからなレコード&楽器店。隣りは店員のいないフレンチ・ネイル屋。
中:ハーレムのアポロ・シアター。あのJBもここで熱演してたんだニャー。
右:中華街を歩いてたら、いつの間にかイタリア人街にワープ!
|